利用者ニーズを的確に捉えた住民にサービスを提供することで近隣施設との共生を図る
【WIN-WINの発想】
いこいの郷公園は、JR、私鉄、生活バスの交通の接点として歴史ある本町の中心市街地から徒歩で通える位置にある他の利を活かし、従来型の競技指向の運動施設とは一線を画しか総合運動公園を目指して建設しました。民間企業から住民の健康増進のためのソフト及び人材の提供を受け、利用者たる住民が自主的に運営に参画し、町の福祉保健とスポーツ行政施策とのバランスをうまくとった画期的なしくみの公園として新しい公設民営化に取り組んできました。
それは、変化する利用者ニーズに迅速に対応し、利用者増と運営効率を求める余りに民業圧迫や近隣施設との競合を避けるために、しっかりしたコンセブトと、拠点となる体育館の施設利用導線を設計段階から積み上げて参りました。
今では運営の根幹となる、だれでも、いつでも、気軽に継続してスポーツを楽しめる「総合型地域スポーツクラブ」構想を掲げ、そのソフト、サービスにより、4,000人近い会員を有するスポーツクラブとして連日約1,000人の利用者でにぎわっています。従来の本町スポーツ人口が住民人口の2%程度でしたから、画期的な成果といえます。
いこいの郷公園は、全国公募により運営ブロポーザルで採択された運営手法とそのノウハウを持つ民間企業をパートナーに、運営主体の財団を指定管理者として公園全体の運営を行っています。この手法は単に民間企業との直接の定額契約でなく、官民お互いのリスクを分担して公園運営にインセンティブを導入したいわば疑似PFI方式による、PPP(官民パートナーシップによる公共サービスの民間解放)を実現したものです。
それは、従来の「公共が直接公共サービスを供給する仕組み」から「公共サービスの提供主体がマーケ ットの中で競争していく仕組み」に転換することで、利用者へ高品質の公共サービスを提供し、同時に最も効率よく、公園維持・管理費に対する町負担が半減されるという画期的な運営手法を実践しています。
総合型地域スポーツクラブ事業は、「スポーツ振興基本計画」のなかでも目玉として取扱われており、今後のわが国のスポーツ振興の基盤ともいえます。
ヨーロッパ型の多種目・多世代・大規模なスポーツクラブで、少子化によって衰退を余儀なくされている学校運動部の受け皿として、あるいは企業スポーツの将来的な姿としても注目されています。
これまでのクラブづくりは、行政依存運営や、学校運動部のOB有志が結成したり、また、スポーツ教室の延長戦上にある単位一種目活動、同一世代活動、勝利志向、小規模経営組織などの特徴をもつクラブづくりで、多くの場合、組織力よりも構成員の熱意によって支えられてきました。これらは身内的・家庭的で、構成員同士の親密な関係の形成に寄与するものの、組織力としては閉鎖的で未熟であり、マネジメント能力は低いと考えられます。このようなクラブ組織が、少子化に起因して崩壊が進む学校運動部活動の受け皿となったり、安全性を厳しく求められる高齢者スポーツの担い手となったり、教育力の向上、福祉の充実、健康意識の高揚、などの社会共益活動を展開することは容易ではないと考えられます。
▲自分のあった時間・メニューをマイペースで楽しめるブログラムか魅力です。色々な出会いがそこにはあります。
社会に出ると体を動かす機会は、学校卒業を境に極端になくなってしまいます。
いろいろなスポーツを体験したくても種目の限られた環境にある子ども達がいます。
また、興味はあっても現実的に活動するチームを自分で探すとなると、非常に難しいことです。
このように、スポーツと日常生活との間には、いざとなると意外に大きな隔たりがあるのが現状です。
一方では、もっと気軽にスポーツを楽しめたら、その仲間だちと有意義な時間を共有できら、また、もっと高いレベルの競技生活が地域でできたら等、多様なスポーツ二ーズの高まりも見られます。
こうした中、本町のいこいの郷公園整備事業で掲げた「総合型地域スポーツクラブ」構想の画期的なこのアイディアの根本となる考え方は、
などを揚げて取り組みました。
▲まずは、無理せずに基礎体力づくりから…
これから育成されるヴィスポことひらには、多種目活動、多世代活動、自主運営、受益者負担、一環指導、大規模経営組織、などの総合性を特徴とする経営組織であることが望まれます。民間のフィットネスクラブやゴルフクラブの経営から理解できるように、クラブマネジャーの能力、実力がクラブ経営を大きく左右します。欧州の地域スポーツクラブでは、ボランティアクラブマネジャーに替わって、専従のクラブマネジャーを配置するクラブが増えてきています。
▲高品質で提供される公共サービス環境を維持する施設設備には、見えないところで多くの工夫が凝らされています。
琴平町では、利用者導線や施設アイテム、運営コストパフォーマンスに至るまでを民間ノウハウを取り入れたクラブハウスや温水プールのある専用の活動拠点施設づくりを整備方針に掲げた体育館実施設計をもとに、①②③を視野において、ヨーロッパ型のスポーツクラブを目指して全国から広く総合型地域スポーツクラブ運営のプロポーザル提案募集を行いました。
結果、クラブ経営において経験と実績のある企業とのパートナーシップにより、安心して快適な施設運営は開始されました。
▲地域社会の一員としての役割を担うスポーツクラブを目指しています。
クラブが地域に根ざした公的な性格を持つことについて、運営は琴平町の指定管理者として「琴平町スポーツ協会」が行っています。それは、クラプ自体が公益性を保ちながら、運営の根幹にある地域住民がスポーツクラブの運営に参加し、自主性のある活動を行うようにするためのものです。
専従のクラブマネジャーを配置し、実力、能力を備えた地域に根付いた指導者を養成できる民間企業のブログラムにより、誰でもがクラブ活動に参加でき、提供されるそれらのプログラムの価値観を対価する会費の支払いによって運営される施設と、与えられた会員としての資格とのバランスでうまく自主運営がなりたっています。
善の循環により運営をはじめた「ヴィスポことひら」は、今後時間をかけて利用者のニーズによりスポーツ種目を増やしたり、また活動をはしめた種目のレベルアップをしていきます。
オープン以来、卓球、ジョギング、フットサル、テニス、バトミントン、トランポリン、水泳などのサークルがたちあがりました。これらのサークルに固定された会員、ルールはありません。会員が決まった日時に集まればその日そのときがヴィスポサークルとなります。ヴィスポスタッフが親切にエスコートして参加しやすくサポートしています。トップアスリートが指導にあたるプログラムもできました。これから、現在の卓球教室、バトミントン、トランポリン、スイミングスクールから育っていく子供たちや、健康増進のための色々な世代の大人達が一緒になって楽しむ複合施設としてにぎわっています。
▲お客様の声も運営参加の
アイテムです。
▲多世代参加のクラブです。